祝 辞
三妻小学校の卒業式にあたり一言お祝いの言葉を述べさせていただきたいと思います。卒業生の皆さんは先ほど、校長先生から一人ひとり卒業証書を授与され、6年間の教育課程をおえて小学校を卒業されることとなりました。本当におめでとうございます。本来であるならば、18日に挙行される予定だった卒業式が、直前の東北地方太平洋沖地震によって延期され、本日となったわけでありますが、この地震は観測史上4番目というマグニチュード9.0という巨大地震で、東北地方にとどまらず茨城県をも含め広範囲にわたって甚大な被害をもたらしました。家族を失い、非難先での困難な生活を強いられている被災地の方々に対し、心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。
さて、皆さんは小学校を卒業するという人生の大きな階段を上ったわけであります。例年のことではありますが、こうして卒業式に参加させていただくと、6年間の時の重みというものをつくづく感じさせられます。6年前の入学式では、いすに座った足が床に届かず、足をばたばたさせていた新入生が、6年の間に見事に成長し、「芽を出した若葉がしっかりと幹を育てて、将来大きな花を咲かせて実を結ぶ。」そうしたことを予感させるような成長を実感しているところであります。保護者の皆様におかれましても、子供達の成長にますます大きな期待感を感じているところかとお喜びを申し上げます。また、子供達の成長を願い、懸命な努力を注いで教育に当たられてきた校長先生をはじめ諸先生方に対し、感謝申し上げると同時に敬意を表したいと思います。
1年は12ヶ月ですが、干支であらわす十二支という12年で1回りの年の考え方があります。今年はウサギ年ですが、皆さんも12歳で一巡りといったところかと思いますが、私も同じように「一巡り」のときこの三妻小学校を卒業しました。そして40歳のころにこの小学校のPTA会長を勤めさせていただきました。そして今年は早5回目のウサギ年であります。5回目は還暦といって人生の一巡りでもあります。私にとって三妻小学校は切っても切れない思い出のあるところですが、特に私は昔から、三妻小学校の教育目標である「明るく、賢く、たくましく」という目標が、いわば座右の銘とも言うべき言葉となって今日に至っていると考えています。
小学校ばかりでなく、人生においてもこの「明るく、賢く、たくましく」という目標は本当に大切なものであり、そしてその順番が大事であると考えてきました。何よりもまず「明るい」ことが1番であります。賢くたくましくても暗くてはいけません。暗くて賢い人といったらどのような人物を想像するでしょうか。人生はまず明るく生きることを1番にしたいものだと思います。それから賢く、たくましいことが大切なのです。たくさん本を読み、勉強することによって賢くなることができます。スポーツなどを通じて体を鍛えて、たくましくなることもできると思います。ではどうしたら明るくなれるでしょうか。それは夢や希望を持って努力し、1つ1つ実現していく喜びを感じることだと思います。そして苦しいことや悲しいことがあったら共に悩み、嬉しいことがあったら共に喜び合える「友だち」を持つことだと思います。
日本はここしばらくの間、経済の低迷によってなんとなく暗い世相の時代を過ごして来ています。そこに今回、歴史的な巨大地震による大災害によって大きな試練の時となっています。しかし新聞の世論調査でも、94%の人々が「日本は必ず再起復興できる。」と答えています。皆さんにも、未来を明るく展望できる日本人となって、社会に貢献できる人材に育っていただきたい。そして人生を明るく生きてほしいと思います。皆さんの将来が希望のある明るい未来であることを心からご祈念申し上げ、卒業式に当たってのお祝いの言葉にかえさせていただきたいと思います。
本日はまことにおめでとうございました。