通告に従って2つの問題について、一般質問を行いたいと思います。よろしくお願い致します。
1980年代後半の日本では、土地は絶対にその価値が減価することは無いといういわば神話的価値観によって投資が投資を呼び、経済が大きくバブル化しましたが、アメリカにおいても、住宅の資産的価値は右肩上がりに伸びていくものだという幻想によって、所得の無い人々までもが借金によって住宅を取得し、その資産的価値の値上がりを根拠として、消費者ローンなどによる消費を拡大するということが、永久に続くことではないということが現実となってきています。しかしこれまでは、そうしたことに支えられたアメリカの旺盛な消費に、世界の経済が牽引されてきたという実態があり、アメリカの住宅価格の更なる下落によって消費が落ち込めば、アメリカの消費に支えられて経済成長を成し遂げてきたともいえる中国、そして日本もまた大きな経済的打撃を受けることは必定であります。
治安の維持という点でも、景気が回復し安定的な雇用が確保されるということが重要なことであることはいうまでもありません。各国ともに莫大な財政出動によってこの経済危機を乗り越えようとしているようですが、アメリカを始めまったく不透明な環境にあり、今年から来年にかけては厳しい経済運営を強いられるのではないかと思うところであります。
昨年末には、年越し派遣村というのが話題になりました。派遣切りによって雇用を失っただけでなく、社宅などを追い出され住む場所すら失った人々に対し、地域によってはボランティア活動を含め、さまざまな取り組みがあったようであります。当市においては、直接こうした取り組みを求められほどの問題はなかったように思いますが、住む場所までなくなるということが無くても、職を失った人は徐々に増えてきているのではないかと考えるところであります。
市では緊急雇用の対策本部を設置し取り組みを広げているようですが、全国の市町村の取り組みを見ても、正規の職員募集には、募集人員の数十倍あるいは数百倍といった応募があるものの、緊急雇用対策としての臨時職員の募集には、そのあまりにも短期かつ低い賃金で、希望者が採用枠に満たないといった状況にある市町村が圧倒的に多いようであります。当市の緊急雇用対策本部における取り組みの現状と今後の方向についてどのような展望を持っているかお尋ねするものであります。
また、市が直接雇用するということではなく、民間の雇用確保の努力に対してはどのような取り組みがあるのかお尋ねしたいと思います。雇用の確保については国も、さまざまな助成制度を設けて雇用の拡大を支援をするという施策がとられているようです。ハローワークがその窓口となっていると思いますが、市の緊急雇用対策本部においてはこうした制度の案内や受付について、ハローワークとの連携など、どのように取り組まれているか、その制度内容と取り組みの現状についてあわせてお尋ねしたいと思います。
次に2つめの質問ですが、当市の各会計が管理している財産の埋蔵金についてお尋ねしたいと思います。塩爺こと元財務大臣である塩川財務大臣が現職のとき、母屋でお粥をすすっているときに離れでスキヤキを食べている。と国の特別会計の財政運営を揶揄したことがありましたが、一般会計は赤字国債の発行を抑えるために厳しい財政運営をしいられているのに、特別会計では積み上げた資金の運用などでゆとりがあるということを例えたものと思います。国の特別会計におけるこうした積立金・準備金が昨今“埋蔵金”と呼ばれ、一部会計の積立金が一般会計の予算に取り込まれる等、“埋蔵金”論争が近年いろいろと議論されてきました。
本来“埋蔵金”というのは隠された財産ということで、特別会計における積立金は、積立金であって埋蔵金と呼ぶのはいかがなものであろうかと思うところでありますが、予算・決算のあり方が単年度の収支予算・決算であり、民間の企業会計のように、損益から誘導された財産の増減による財産管理という視点が欠けている行政の世界では、特別会計に積み上げられた積立金というのも“埋蔵金”と言えなくも無いかと考えるものであります。
私も6年前に議員となった時から、こうした単年度の収支の予算・決算のやり方では、市の財政の状況が見えにくいということで、貸借対照表等の財務諸表を公開してほしいと申し入れを行ってきたところであり、一般会計においては数年前から、バランスシートを提示していただいているところであります。しかしながら、水道会計を除くその他の会計では、いまだバランスシートが作られておらず、推測の域を超えられません。当市の特別会計には一般会計から毎年のように資金が繰り入れられており、隠れた埋蔵金があってスキヤキを食べているというようなことは無いとは思いますが、世界を取り巻く未曾有の経済危機、100年に1度というような経済環境にあって、いざというときにどういうことができるのか、よく認識しておくことが重要であると思います。この際、市のすべての会計における財産の中に、“埋蔵金”はあるのか無いのか、当局の見解を承りたいと思います。
次に、遊休資産の活用についてお尋ねいたします。行政はいうまでも無く税によって運営されているわけであり、税の確保は収入の確保でありますから、予算執行の前提条件であることは自明のことであります。景気の停滞によって法人や個人の所得が伸びなければ、当然、法人税や所得税は減収となります。そこで注目を浴びるのが固定資産税であります。固定資産税は固定資産の評価に対して課税するものでありますから、その時々の法人や個人の所得に関係なく、安定した税収となるものであります。しかし、徴収する側にとってはなはだ便利な税金でも、支払う法人や個人とっては固定資産税も稼いだ所得から支払うのであって、経済情勢がはなはだ厳しい状況が長く続けば、納税もままならないということにもなりかねないところであるかと思います。
民間の資産に対してはその資産評価を行って、きっちり課税しているわけですから、市の持っている資産についても、その資産評価を厳格に行って資産管理をしていく必要があると思います。
日本の会計制度では長年の間、取得原価主義でやってまいりました。右肩上がりの時代には、過去に取得した資産が大きな含み益を持ち、企業の安定的な存続に大きく寄与してきたものと思います。しかし今日では、含み益が含み損となるリスクもあって、安易な経営が許されない厳しい時代となったということでしょう。しかし行政の世界では取得する資産は、民間で言うところの投資ではなくて、予算化してそのコストをクリアーしてしまうといった仕組みにあって、資産管理にシビアーな視点が育たないということがあるのではないかと思うところであります。
しかし今日では、市債の発行すなわち市の借金によって取得する資産も多々あるわけですから、厳格な資産管理が求められていると思います。また、行政の資産管理という点では、民間の損益に寄与するという視点から、いかに住民にとってサービスが供与されているかといった視点での評価が重要であることは議論を待たないところかと考えるものであります。
こうした観点から、市の財産で遊休資産であると考えられる資産はどの程度あると考えているのか。これらを有効活用した場合の経済効果はどの程度見込めるのか、お尋ねしたいと思います。
前段で“埋蔵金”という議論をしてきました。前段の議論では特別会計における積立金や準備金が対象という議論でしたが、私はこの遊休資産こそがいわゆる埋蔵金であると考えるものであります。眠っている価値を掘り起こし、有効に活用していくことこそが、厳しい経済環境化にあっての行政運営に求められる課題であると思います。
トヨタやキャノンなど、優良な法人の大きな貢献によって支えられてきたいくつかの地方都市が、経済危機による法人税等の急激な落ち込みによって、自治体財政そのものが破綻の危機に瀕している市町村も多々見受けられる今日あります。一丁有事にそなえる議論をしておくことが肝要であるという観点から、“埋蔵金”ならびに遊休資産の有効活用についての質問をいたしました。よろしくご答弁をお願いいたします。
2008年、つまり昨年の後半に大きく世界を揺るがしたアメリカ発の金融危機によって、世界の経済は大きく後退しています。日本もまた例外足りえず、派遣切りが大きな社会問題となっているように、雇用の確保という問題が大きくクローズアップされている今日であるかと思います。アメリカでは一昨年に顕在化したサブプライムローンの問題から経済が大きく失速しました。これは日本でも経験したバブルの崩壊とも言うべきものであると思います。
○産業労働部長〔齊藤忠工君〕 それでは、緊急雇用対策の取り組みについてお答えいたします。
なお、緊急雇用として3年間では、ふるさと雇用再生特別基金事業が4件で4,894万1,200円、雇用予定延べ人数が18名、緊急雇用創出事業が3件で2,447万2,800円、雇用予定延べ人数が21名の合計7件の事業計画を県に提出しており、本採択については3月の下旬になる見込みでございます。予算措置については緊急性もあり、平成21年4月から事業を進められるよう専決処分を含めて検討しております。
次に、2番目の、民間の雇用確保に対する市の取り組み状況については、大生郷、坂手、内守谷の三つの工業団地と商工会で事務局を持つ工場協会で組織している工業懇話会において総会や懇談会を開催しております。懇話会の目的については、会員企業の振興発展や特に情報交換の場としては有意義に機能している会であります。また、国の施策については雇用維持のための雇用調整助成金制度等があり、景気の変動や産業構造の変化等に伴う経済上の理由による事業活動の縮小などによる影響が出た場合の仲裁などを盛り込んだ施策の紹介をしております。さらに、「いばらき若者サポートステーション」との共催で、昨年の12月から毎月1回、就職活動や就職に向けて生活等に悩む若者やその家族に対する相談日を開設し、個別に相談業務を行っております。
また、参考ですが、雇用対策本部を設置後の相談件数につきましては、現在までに求人に関することなど窓口への来庁は5件、電話での相談が4件、合計9件でございます。最後になりますけど、ハローワークとは常に連携をとり合い情報交換を行ってまいります。以上でございます。
当市では1月29日に市長を本部長とした緊急経済雇用対策本部を設置し、平成21年度から23年度の3年間で当市枠として、ふるさと雇用再生特別基金事業5,065万1,000円、緊急雇用創出事業3,626万5,000円の二つの事業について全庁的に各課から対象事業を抽出いたしました。市役所臨時職員としての緊急雇用につきましては、事務補助や現場作業等の臨時的な業務の有無について調査をし協議をした結果、雇用日数が短期的な業務及び個人情報にかかわる業務については慎重を期しまして対象から除き、現業的な草刈り作業、道路の簡易な補修作業については4月より緊急雇用創出事業で対応する予定でおります。窓口でのポルトガル語の通訳1名、また外国人納税者及び納税者対応の納税事務1名、ポルトガル語または英語を言語とする児童・生徒を対象とした外国人指導助手3名、合計5名を臨時職員として雇用することで2月26日から市のホームページで募集をしております。その結果、9名の応募がありました。
○企画総務部長(小林一夫君) 秋田議員の質問、市の埋蔵金とその活用についてお答えさせていただきます。
続きまして、遊休資産の活用についてお答えいたしたいと思います。
遊休資産である未利用地のうち今後有効活用が見込めない土地につきましては、随時売却を図っているところですが、平成19年度には北水海道駅前の宅地や水海道駅前の建物つき宅地など、金額にしまして約8,242万円、今年度は橋本駐車場や旧母子寮跡地など売り払い価格は1億600万円程度となっております。今後も活用が見込めない遊休地につきましては積極的に売却を進め、歳入確保に努めてまいりたいと思います。
それから、先ほどどのくらい未利用地があるかということでございますけれども、約20ヵ所で5万7,819平米ということです。それから、価格につきましては、その土地を売却するときに鑑定等をかけてその価格を出していますので、その価格等は現在把握できないような状態でございます。
いわゆる埋蔵金とは特別会計の余剰金や積立金のことを示す言葉と考えられますが、既に決算でも明らかにしているとおり、特別会計における平成19年度末現在の基金の残高は、国保会計では、支払い準備基金としまして1,729万円、介護保険会計では、介護給付費準備基金としまして2億1,327万円、大生郷特定公共下水道会計では、財政調整基金と設備整備基金を合わせまして5億7,933万円、それから自動車学校会計は、財政調整基金としまして1億175万円の積立金を保有しております。また、基金はそれぞれの条例の目的に応じて使用しなければならないことになっておりまして、平成21年度予算でも介護保険特別会計では保険料の軽減、大生郷特定公共下水道会計では建設事業の財源に、自動車学校会計では財源不足を補てんするために取り崩しを行っているところでございます。いずれの基金につきましても現在の厳しい財政状況に対応するため最低限必要なものでありますが、特に国保会計の支払い準備基金につきましては、医療費の急激な増大も考えられますので、少しずつでも積み立てを行っていきたいと考えております。
市内には利用が確定していない、活用されていない未利用地が各所に点在しておりまして、管理上大変苦慮しているところでございます。5平米にも満たないわずかな土地から開発公社の解散による残余財産として市で受け入れをした土地など、普通財産と位置づけられている多くの土地が遊休資産と言われるものです。売却可能資産の評価については、残念ながら現在のところ把握できておりません。固定資産評価額が参考になる程度で、財政の健全化や売却を進める上でも資産の評価の把握は必須と考えており、新年度から新地方公会計制度の導入に伴い、市の財産である土地や建物の資産価格を含めた資産台帳の整備に取り組む予定で進めているところでございます。
(再質問) 御答弁ありがとうございました。
次に、埋蔵金ということなんですが、この埋蔵金というのはいわゆる特別会計の積立金ということで国ではいろいろ議論されていますが、これは別に私の価値観から言うと、埋蔵金ということではないんではないかと考えております。遊休資産がまさしく埋蔵金であって、長年私も疑問に感じておったのは、市の会計における財産調書というのは土地が何平米あるとか、建物が何平米あるとかいって、金額で評価しないわけですよね。これがもう基本的におかしいという疑問を持っておりまして、民間の資産についてはちゃんと評価して固定資産税をかけるわけですから、やはり当然市の資産もこれは金額において評価すべきだと、こういう持論を持っておったところでございます。
いろいろ個々の個別の積立金等が妥当かどうかは、今回はこの評価の点については置いておきたいと思うんですが、会計の手法で特別会計はどうしてバランスシートはつくられないのかと。要するに水道会計だけが企業会計の手法で財務諸表がつくられているが、同じように非常に長期の投資あるいは資金運用が求められていると考えられる下水道であるとか、あるいは農村集落排水とか、そういった特別会計は何で水道会計のような手法はとらないで、水道会計のみを企業会計の手法をとってやっておられるのか、その点についてだけ再質したいと思いますので、よろしくお願いします。
1点目の緊急雇用対策で、ポルトガル語の通訳等についてはホームページで私も見させていただいておりますが、あれは緊急雇用対策ということではないだろうというふうに感じております。ポルトガル語の通訳なんかは、これから常時ずっと必要な仕事じゃないですか、これは。だから今回の臨時雇用対策という意味で何か銘打ってやったのかどうかわかりませんが、それはちょっと意味が違うんじゃないかなと感じているところです。いずれにしても、市の行政のレベルで雇用対策どうするかという問題が解決できるとは私も思っておりませんが、こういった厳しい情勢なので、できる限りのことは取り組んでいただくのと、特に国のそういった政策が十分周知されるように、いろいろ広報活動等をやっていただくことをお願いして、この問題は終わりにしたいと思います。
○企画総務部長(小林一夫君) それでは、秋田議員の再質問にお答えさせていただきます。
それから、下水道会計とかそういうのを何で企業会計にできないかということでございますが、企業会計につきましては地方公営企業法を適用して会計処理をすることになりますが、この法律を適用することができる企業は完全に独立採算が可能なもの、または不完全ながらその通常経費の70から80を通常経費で賄える程度に採算が可能なものということになっておりますので、下水道会計、その他の特別会計につきましては、一般会計で繰り入れている状態でございますので、公営企業法を適用はできないものではないかと考えております。以上です。
この特別会計、水道だけが企業会計で、ほかはどうしてとられないかということでございますけども、今まで決算につきましては単年度ということで歳入歳出のみの表現をしていましたが、これで今後引き継ぐ資産、あるいは経常的な行政施策にかかるコストは幾らになるかわからない点がございますので、そこで今度市のすべての財産状況を把握するということで、新地方公会計制度が20年度より導入されます。その中で具体的には21年度秋ごろを目途に貸借対照表、行政コスト計算書、それから純資産変動計算書及び資金収支計算書、財務諸表の4表ですか、そういうのをすべての特別会計にも、そのほか一部事務組合とかも同様に財務諸表4表を作成し、これらを連結することにより当市を取り巻く全体像を把握するようにしたいと考えております。
(再々質問) そうすると、それは平成21年度からですか、そういったことで財務諸表を追加するというふうに理解してよろしいですか。今の答弁で若干疑問がないわけではないんですが、例えば石下の自動車学校等々については従来そうやってやるべきだったんだと思います。今度は民間委託ということですから、いまさら議論してもしようがないとは思いますが、いずれにしても、予算審議のの今回もまた委員会が開かれるわけですが、一般会計については非常に細かく議論はされますが、特別会計になるとターボエンジンのようにスピードが増して、ばばばっと終わってしまうというのが例年繰り返されているところかと思います。やはり特別会計についても非常に金額の大きい問題もありますから、十分な議論ができるよう、そういった資料等々を取りそろえて、ひとつ御提案いただけるようお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。