通告に従って、一般質問を行いたいと思います。
このように、委員の選任には2つの道があり、性格の異なった選出方法において委員となっているわけであり、この制度は「農
業委員会に関する法律」によって決められていることですが、私は、公選制度がある組織に、別枠から同じ立場になる選任の道
があるということは、はなはだおかしな制度であると思っているところであります。選挙によって民意を問い、その代表者で構
成される組織に、別枠から、つまり農協から1名、農業共済組合から1名、土地改良組織から1名という3名の職域代表、加え
て学識経験者という議会推薦枠4名が、新たに委員として選任されるわけであります。
公選制度というものは、誰でも平等に、選挙によって選ばれる制度であり、農業にかかわるそれぞれの職域代表も、その職域に
とって農業委員という立場が必要であるならば、その職域から選挙に出馬すればいいのであって、職域代表者がそのまま委員に
選任されるという仕組みは、中途半端な折衷案的考え方の産物であろうと考えるものであります。さらに、学識経験者という議
会推薦枠については言うまでも無く、公選制度そのものを否定するものであると言わなければなりません。学識経験者や職域代
表の選任委員は、いわゆる審議会等、別組織の委員になるべきであり、同じ立場の農業委員会に所属するということはおかしい
のではないかと思うところであります。
法律によって定められた制度には、意見を言うことはできても、当市において制度そのものを変更することは出来ません。私は
選任枠などというものは撤廃すべきではないかと考えるものでありますが、職域代表の選任枠が定められている以上、これを否
認することはできない現状にあります。ただ、議会推薦枠については4名以内と定められており、この枠を運用しないことは本
議会で決められることであり、改選にあったての定数問題を議論するに当たり、この議会推薦枠についても同時に議論すること
が必要ではないかと考えるものであります。
議会の定数と同じように、常総市における農業委員の公選定数は30人が限度と定められているようです。議員定数問題でも、
いろいろな議論がありました。多くの市民の意見を議会に反映させるためには、議員定数をあまり削減しないほうがいいのでは
ないかという意見や、行政改革を率先して推進する立場から、自ら議員定数を削減しようという意見があり、議論の結果、現在
の常総市議会議員の定数は26名となっているわけであります。
農業委員の定数についても、何人が適当であるという理論的根拠を求めることは、なかなか難しい問題であろうと思います。市
議会議員の定数問題と同じように、特に農業委員は各地区の事情に精通した地元委員が必要ではないかという議論がある一方で、
やはり行政改革というおおきな流れの中で、定数の削減は止むを得ないのではという意見が大勢ではなかろうかと思います。
そこで定数については、やはり市議会議員の数が大きな目安となり、先般農業委員会総会で要望することとなった26名という
数は、議員定数と同数であります。しかしながら、先ほどから述べているように、この数は選挙によって選ばれる数であり、選任
枠をすべて運用するということになると、全体では、職域代表3名、議会推薦4名を加えて、総数33名ということになります。
逆に、農業委員総数を議員定数並みにしようとし、選任枠7名を運用することが前提であれば、選挙定数は19名ということにし
なければなりません。
このように、農業委員の定数を検討するにあたっては、公選定数と同時に選任枠を議論しなければ、全体の委員数がどうなるのか
という特殊な問題を抱えているのが、今日の農業委員会の仕組みであります。私は選任枠そのものに問題があるという立場ですが、
職域代表の選任枠が定められている以上、少なくとも議会推薦枠はこれを運用しないという立場に立って、公選定数というものを
議論し、許される範囲すなわち総数が議員数並みで、なるべく公選定数枠を拡大するということがいいのではないかと考えるもの
であります。
改選は来年の7月であり、この9月議会において、執行部より農業委員の新定数についての案件が提案されるものと思っていまし
たが、9月議会には提案が無いようであります。次の12月議会には当然提案されるものと思います。提案はあくまで、選挙定数
についての提案になると思いますが、選任枠についてはどのように考えているかについての検討が無ければ、提案の根拠も希薄に
ならざるを得ないと考えるものであり、新定数についてどのような検討がなされているかお尋ねしたいと思います。
次に、選挙の方法(選挙区)についての問題であります。
現状では選挙定数が決まれば、市内の農業者、すなわち、農業委員会委員選挙人名簿に登載されている選挙人によって、全地区一
斉の選挙ということになると思います。先に行われた市議会議員の選挙は、全地区26人の定数によって行われました。常総市に
は、旧水海道を構成する10ケ所の旧村単位の地域があり、旧石下ではその数5ケ所、合わせて15ケ所の地区・地域があるわけで
すが、26という定数は、最低でも旧村単位1名が当選できるだろうという数ではないかと思います。農業委員の選挙でも、26
という定数で全地区一斉の選挙ということになれば、旧村単位での農業者数のばらつきもあり、同じような状況になるのではない
かと思います。さらに選任枠を含めて総数を議員並みとした場合、選挙定数はさらに減少し、厳しい選挙戦になることは必定であ
ります。
ここで私は、農業委員の担っている職務と選挙制度のあり方について考えてみたいと思います。いうまでも無く、農業委員は農地
にかかわる仕事が主なものであり、農地の所有権の移転や地目の変更、農地の貸し借り等、市というテリトリーをおおきく構成す
る土地にかかわる許認可の仕事であります。こうした性格は、議員以上に地域に密着した農業委員の存在が求められるのではない
かと思います。農業委員の定数問題とその職務の性格を考えてみた場合、農業委員を選出する選挙のあり方も、単に全地区一斉の
選挙でなく、旧村単位の小選挙区制あるいは区域別選挙など、いろいろと検討する必要があるのではないかと考えるところであり
ます。
議会においてもよく議論される問題に、線引き問題があります。これは都市計画法上の線引きであり、皆さんご承知のように、水
海道地域にあって石下地域に無い線引きであります。線引きされた市街化区域の中には生産緑地という農地があり、調整区域の中
には、さらに区域指定された地域があるのが旧水海道地域であり、旧石下地域にはこうした線引きが無いわけであります。農地を
農地として護るという意味での農用地区域指定は同じようにあるのですが、都市計画法上の線引きがあると無いとでは、農用地区
域指定の運用についてもかなりの差があるのではないかと感じているところであります。
また、常総市を縦断した鬼怒川の東と西という点でも、地域の特性が大きく異なっているという実情にあります。鬼怒川の東側で
は、土地改良によって整備された田園が基盤の地域であり、西側でももちろんこうした地域があるもの、起伏にとんだ山あいの谷
津田と呼ばれるところも多々あり、一時転用による埋め立て問題など、農業委員の環境も東と西では大きくその対応に差があると
ころであります。
こうした南北、すなわち旧水海道と旧石下地域の制度上の格差、また東西、すなわち鬼怒川の東と西という地域環境の違いによる
土地に対する対応の差の問題がありながら、農業委員の選挙においては、一元定数による全地区一斉の選挙ということには大きな
問題があり、定数削減という流れの中でこうした問題を考えたとき、やはり旧村15地区から万遍なく農業委員が選出されるとい
う小選挙区制、あるいは、常総市を南北・東西に分割した4区域、さらに水海道地域を4分割した6区域、これは現在の農業委員
会において構成されている班の区域であります。こうした区域ごとに定数を定めた区域別選挙区制が良いのではないかと考えるも
のであります。
いずれにしても、来年7月に迎える改選前に、定数問題を決めなければならないわけだろうと思いますが、定数と同時に選挙の方
法についても、常総市の実情にあった方法を検討するのが重要であると考えます。農業委員の選挙について、小選挙区制あるいは
区域別選挙制度についてどのように考えているか、定数問題とあわせてお尋ねしたいと思います。
以上、農業委員の新定数と選挙制度についての質問をいたしました。よろしくご答弁をお願いいたします。
今回の質問は、来年7月に改選を迎える農業委員会の定数及び選挙の方法について、どのような検討がなされているかという
ことであります。
現在、常総市は農業委員定数37名、1名欠員で36名の農業委員がおり、私も現職の農業委員の1人であります。農業委員
は選挙で選ばれる委員と、推薦によって選任する委員があり、合併以前には、旧水海道市で公選20名、選任6名の計26名。
旧石下町で公選11名、選任5名の計16名、合わせて42名の農業委員が在籍していました。常総市の誕生による編入合併
という経過の中で、旧石下町の選任委員はその職を失い、旧水海道市の委員に加え、旧石下町の公選11名のみが合併特例の
委員として加わり、現在の農業委員会となっている訳であります。
○企画総務部長(小林一夫君) 秋田議員御質問の農業委員の新定数と選挙制度につきましてお答えしたいと思います。
農業委員会等に関する法律の一部が平成16年11月1日に改正されまして、農業委員会組織の設置とスリム化・運営に関する市町村の裁
量の拡大が強く求められているところでもありますので、当市の農地面積・農家戸数等を参考にし、常総市にふさわしい農業委員定数
を定めていかなければならないと考えております。
また、選任委員の取り扱いでございますが、これは団体(農協・農業共済・土地改良区)推薦委員が各1名ずつで3名、そのほか議
会推薦委員につきましては4名以内ですが、この農業委員定数、それから選任委員の人数につきましては、農業委員会等の意見を尊重し、
今後関係機関と十分協議を図ってまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
2点目の農業委員選挙の方法でございますが、議員御指摘のように旧水海道市と旧石下町では、都市計画法上「線引き」、それから
「未線引き」となっており、農地法上もその取り扱いが異なっております。このような観点から言いますと、小選挙区制の導入も考
えられますので、これらの選挙方法につきましても関係機関と協議調整を図ってまいりたいと思います。
いずれにしましても、農業委員定数につきましては、条例改正が必要となりますので、次の12月定例市議会に提案させていただきた
いと考えておりますので、議員の皆様のご理解もいただかなきゃならないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
以上です。
1点目の農業委員の定数でございますが、ご指摘のとおり、現在は合併特例法によりまして、選挙委員が30名、1人死亡ということで、
そのほか選任委員の6名の現在は36名でございます。次回の改選時、これは平成20年7月30日が任期満了ということでございますが、そ
のときは農業委員会等に関する法律施行令第2条の2に基づき、選挙による農業委員の定数基準は30名、選任による農業委員は7名、こ
れは農協・農業共済・土地改良区各1名、議会推薦4名以内となっておりますが、従いまして37名が農業委員会の定数の基準となります。
ただいまご答弁いただきました。定数、選挙区ともに今後関係機関と協議をするんだと、こういう御答弁でございますが、実際、現在
の農業委員会というのは合併特例の在任の期間延長で臨時的にやっておるわけですよね。既に合併して1年と8ヶ月を経過しているわけ
ですから、来年度の改選までには1年を切ったということでありまして、今後、関係機関と協議に入るというのは少し遅いんじゃないかと、
このように考えているところで、12月に提案するということなので早急に詰めていただきたいなと考えております。
今の質問の中でもあったように、この農業委員会に関する法律で選挙の単位ということについて決められているわけですが、「市町
村長は、農業委員会の選挙による委員の選挙については、特に必要があると認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、当該農
業委員会の区域を分けて二つ以上の選挙区を設けることができる」と、こういうふうになっております。これはやはり農業委員の場
合は一律の選挙ということではなくて、やはり区域別に検討するのが筋ではないかという論旨で質問したんですが、ちなみに近隣市町
村の農業委員会の状況というのは、これちょっと調べていただいたんですが、お隣の坂東市も旧岩井と猿島で別々の選挙区を設けてお
ると。それから取手市においても、旧取手と藤代は別だと。つくば市においては、やはり旧市町村6地域に分かれて定数ができていると。
それから筑西市も、旧市町村4地区ごとに定数を定めて選挙区が定められているということで、かなり近隣の市町村でもこういった取
り組みになっているわけですから、常総市においてはやはり都市計画法上の問題等々、石下とかなり違った状況下にあるわけで、この
小選挙区、要するに最低でも石下と水海道を分けた選挙区―――私の提案はさらに鬼怒川の西と東を分けたほうがいいとこういうことですが、まず
選挙区を分けるという考え方で12月に提案されるということを期待したいと思います。
選挙の定数等については、やはり議会推薦枠等含めた中での総定数を幾つにするのかということで、その辺を十分に検討した内
容で提案されますことを期待しまして、一般質問を終わりたいと思います。これは要望にして答弁は結構でございます。よろしくお願
いします。