常総市がはじまって最初の選挙があり、新しいメンバーのよるはじめての議会であります。執行部の長である市長が
新たに選任されたことを受け、新市長就任のお祝いを申し上げると同時に、今後の常総市の街づくりについての基本
的な考え方、市の将来にどのような展望を描いているかについて質問したいと思います。新市長初めての議会であり、
就任間もないところでありますから、細かい問題についてはこれからのこととして、今後の新市建設における大きな
2つの問題、広域行政参加の問題と線引き問題について、改めて市長の基本的な考え方をお尋ねするものであります。
市長はこれまで3期12年にわたる水海道市議会議員として、加えて3期12年の茨城県議会議員として計24年間
の議員活動を続けてこられました。初めて水海道市の議員となられたころは、たしか落合市長の時代であったと思い
ます。そのころからの市政のありようを多年にわたり現場で経験され、また、茨城県議会議員というより広域的な対
場から、地元水海道の地域環境についていろいろと考えてこられたのではないかと思います。
石下はもとより、もともと水海道は県の区域割で県西地区に分割され、県西地区市町村の一員として長年の間活動し
てきた経過があり、50数年前の水海道市誕生時の合併は大部分が結城郡に属する村の合併によって誕生したもので
あります。その後も、県西地区における隣接市町村とはとりわけ緊密な関係にあり、行政を取り巻く諸団体も、県西
地区というテリトリ−にあってその活動範囲が規定されているものがほとんどであると思います。こうした環境にあ
りながら、落合市政当時、将来の都市化の方向を見据えながら、水海道市が積極的に旧守谷町や谷和原村に呼びかけ
て、今日の常総広域圏を形作っていったと聞いております。
首都圏50Kmという位置にあり、大都会に隣接しながら、なおかつ豊かな自然にも恵まれた当地域は、都市化の風
と純農村の空気の混在した地域であり、混住化社会といわれるような居住環境も多様な地域であって、行政の役割も
なかなか大変なものがあるのではないかと考えているところであります。落合市政時代からの歴史的な取り組みとし
て今日の常総広域行政があり、また、石下地域には石下地域の歴史があって、それぞれがおのおの別々の広域行政に
参加している地域が合併したわけでありますから、今後の展開ではいろいろな問題にもぶつかっていくものと思いま
す。しかし、広域行政参加の問題は新市・常総市の建設に避けて通れない問題であり、また、この問題は、将来の更
なる広域合併問題にまで波及する大きな問題であると思います。広域行政についてどのように考えているか。また現
在、おのおの別々の広域行政に参加しているわけですが、今後の常総市としての広域行政参加についてどのような考
え方そして展望を持っているかお尋ねしたいと思います。
さらに、新市建設という点において大きな問題にいわゆる「線引き問題」があります。市長は選挙公約において、石
下地区の線引きは5年間課題としないということでありますから、今期の任期中は取り組まないということでしょう。
この線引きというのは、もちろん都市計画法上の線引きでありますが、線引きというのは、ただ単に区域を分けただ
けでなく、市街化区域に線引きされた水海道地域では、固定資産税に加えて都市計画税という税金を払っているわけ
ですから、公平な税負担という点で問題はないかと考えるところであります。この点では市長も、水海道地区の都市
計画税については、その使途を精査し減額を検討するとしておりますから、おおいに期待したいと思いますが、市長
就任の今日、あらためて都市計画税にたいする取り組みをふくめた線引き問題についての考え方をお尋ねしたいと思
います。
また線引き問題というのは、都市計画法上の線引きばかりではなく、農用地区域指定と区域外指定という線引きもあ
り、さらに近年指定された市街化調整区域内の区域指定ということで、いわゆる地方分権の拡大という流れの中で、
市農業委員会にも農地転用等の許認可権が拡大する方向にあり、農地を転用しやすいような取り組みも行われている
ところであります。このことは、農業に対する考え方によって、おおきく評価の分かれるところでありますが、当然
石下地域にもあるこの農用地区域指定という線引き、また、市街化区域にある生産緑地について等、地域農業とのか
かわりや地域活性化のための土地利用政策について、どのような基本的考え方を持っているのかお尋ねしたいと思います。
次に質問の2点目ですが、県道土浦坂東線の路線変更とそれに伴う周辺環境の整備についてお尋ねしたいと思います。
昨年合併後のまちづくり支援事業として10億円が、美妻橋から国道294号線までの新設道路建設にすべて投入され
ることとなりました。現在鬼怒川土手上にある県道357号線と美妻橋との交差点においてその車線を拡大し、美妻橋
への右折・左折がスムーズに行えるよう急ピッチで工事が行われているところであります。美妻橋周辺の道路は特に朝
夕、混雑が大変激しく、近くに三妻小学校・鬼怒中学校があって、子供たちの登下校にも安全確保の点からいろいろ問
題が指摘されているところであり、川西の工業団地等に通う車両が、国道294号から直接美妻橋に通行可能となれば、
美妻橋周辺の環境は大きく変わるものと期待しているところであります。
つくば研究学園都市の整備によって、県道土浦坂東線は土浦から国道294号線までおおきく改善されました。しかし
三妻駅周辺から美妻橋までの間は、民家が込みいっているという環境もあり、県道の整備が遅れたまま現在に至ってい
ます。土浦坂東線の学園方面が改善された分、大型車両がよけいにこの狭いところで立ち往生するという傾向がみられ、
一刻もはやい美妻橋から国道294号線までの新設道路が完成することを願うものであります。
この道路が完成すると、当然県道土浦坂東線の路線が変更され、一部国道294号線と共用しながら、新設道路を通っ
て美妻橋に至るのが新土浦坂東線になるのではないかと思うのですが、変更の時期を含めた見通しについてお伺いした
いと思います。また路線の変更はどのように周知され、従来の路線はどういう形になるのかお尋ねしたいと思います。
国道294号線はまもなく4車線化が完了し、常総市を縦断する大動脈として機能していくものと思います。加えて美
妻橋までの新たな県道によって、周辺の環境は大きく変わるものと思いますが、こうした大動脈に乗り入れる市道の整
備、特に朝夕の通勤時間帯とかさなる子供たちの通学道路の安全確保という点においては、熟慮を重ねた計画が求めら
れると思います。市の役割として求められるこうした点についてどのように考えているか、当局の答弁を求めるもので
あります。
以上、2つの質問をいたしました。よろしくご答弁をお願いいたします。
○企画総務部長(小林一夫君) 秋田議員の質問のうち、私の方からは1番の、新市長のもとで取り組まれるまちづくり
の展望について、@広域行政の評価と常総市として広域行政参加のあり方をどのように展望しているかについてお答えを
いたします。
広域行政による事業は、財政的に単独市町村では困難な住民サービスを行う場合や、事業を複数の市町村で行い、規模
を大きくすることによりより少ないコストでより高い住民サービスを提供する場合に有効であります。合併により誕生し
ました常総市は、旧石下町と旧水海道市が構成していた双方の事務組合に現在加入しております。2市町の共通していた
一部事務組合としましては、茨城西南地方広域市町村圏事務組合、下妻地方広域事務組合、石下・千代川学校給食組合に
加入していました。合併後は、旧水海道市が加入していた組合は継続し、旧石下町が加入していた組合について、合併の
前日に脱会し、合併の日をもって加入していた組合に常総市として新たに加入いたしました。
これまで2市町が加入していた広域組合については、組織体制や規模により事業コストの違いなどがあるものの、その
役割を十分果たしておりましたと思います。今後、当市としての目指すべき広域の方向としては、新市として一体性の確
保の観点から、目的が同じ広域を一元化することが挙げられます。しかしながら、現在加入している事務組合につきまし
ては、設立の時期や設立の経緯、施設の更新の時期などが異なっていますので、その統合については、市民の安全・安心
を基本に、サービスを低下させることがないように、また、住民の理解を得ながら慎重に進めてまいりたいと考えており
ますので、御理解を賜りたいと思います。
続きまして、都市計画税の線引き関係ですけど、都市計画税の問題は、先ほど議員さんからもありましたように、中村
議員、中島議員の質問にもお答えしましたが、現在の財政状況を勘案しますと、今後さらに公共下水道事業を推進してい
く上では、都市計画税を軽減することは非常に厳しい状況であります。さらに、近隣市町村においても、課税の方向にシ
フトしているような状況でございますので、御理解をいただきたいと思います。以上です。
○都市建設部長(鈴木忠男君) それでは、秋田議員の質問にお答えいたします。
また、市街化調整区域における区域指定制度でございますが、平成14年の都市計画法並びに建築基準法の一部を改正
する法律により、市街化調整区域内でも住宅などの建築を特例的に認める制度として制定されたものであります。その趣
旨から、水海道市計画区域の市街化調整区域において、都市計画法に定める基準に合致する23地区542.9ヘクター
ルについて、平成16年度に指定をいたしました。現在は、法に基づき運用しておりますが、今後の取り組みとしては、
茨城県の運用基準では、都市計画の変更等により、土地の区域の指定に明らかに不整合が生じた場合が要件となっており
ます。ここでいう不整合が生じた場合とは、一つの例としては、線引きの見直しなど区域指定に関連する都市計画の変更
がなされたときをいいます。このような機会に見直しがされるものです。また、ここでの都市計画の変更、見直しは、土
地利用現況や建物の現況など都市の現況や動向を把握するために行われる都市計画基礎調査の結果をもとに行ってまいり
ます。常総市の都市計画につきましては、農業との健全な調和を図りつつ、健全で文化的な生活が確保できるように考えてい
きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
続きまして、大きな2番の県道・土浦坂東線の路線変更について、@、Aについて関連がございますので、一括してお
答えいたします。
現在の県道土浦坂東線の新設工事につきましては、議員御承知のとおり、茨城県が現在施工中でございまして、完成予
定年月日につきましては、平成24年3月とお聞きしているところでございます。新設道路の完成及び供用開始に伴い、
旧路線、現在の土浦坂東線につきましては、茨城県との協議によりまして、平成13年10月23日に茨城県知事と当時
の水海道市長との間で、引継ぎに関する覚書を締結しているところでございます。この覚書に基づき常総市に管理が移管
された場合、現在の土浦坂東線近隣には、鬼怒中学校、三妻小学校とあることを考慮しながら、大型車の新設県道への誘
導など安全対策を関係機関と協議しながら、また、周辺の環境づくりにつきましても、関係各課と連携をとりながら、住
民が安心して生活できる環境づくりに努めてまいりたいと考えておりますので、よろしく御協力をお願いいたします。
最初に、都市計画における線引きと市街化調整区域の区域指定の件についてお答えいたします。
都市計画における線引きの問題ですが、水海道都市計画区域におきましては、首都圏整備法に近郊整備地帯に指定され
ていることから、区域区分、いわゆる線引きの義務づけられた地域となっております。線引きを外すことはできません。
また、石下都市計画区域については、きのうの水野議員からも同じような質問があり、市長の答弁と重複しますが、石
下地区の線引きについては、調整方針のとおり、現行のとおりと考えております。
御答弁ありがとうございました。
それから、都市計画の税の問題は、これは石下がないから、水海道があるとかそういう話ではなくが、要するに、水海
道だけでもこれは調整区域でも当然転用というのがあるわけだし、それから調整区域の中の区域指定ということがあるわ
けですから、そういった意味での都市計画税というのは、石下がどうこうという問題じゃなくて、水海道自身としても大
きい問題だというふうな今までの議論があったわけであります。これについては、精査していくということですから、答
弁は求めませんが、本格的にいろいろ検討していただきたいなと要望しておきたいと思います。
それから、県道の問題ですが、この坂東土浦線の路線がそういうふうに変わるということですが、あそこの三坂新田西
という交差点ですけれども、あそこは本年になってからもう既に二度の死亡事故が起きております。どうしてあそこで
ああいう大きい事故が起きるのか、しばらく花輪がずっと飾ってあるというような状況ですが、いろいろ意見を聞いて
みると、基本的には、信号無視で早朝に赤でも突っ込むと、こういうふうなことが原因であろうと思われま
すが、やはり草等によって交差点が見づらいとか、いろんな問題があるのではないかというふうに思っているところであ
ります。
今後あそこは県道の土浦坂東線の交差点でもあり、また広域農道が開通しても、いわゆる小貝川の橋の問題で、
あそこがクランクで交差点になるということだろうと思います。また、将来圏央道というようなインターの問題もあり
ますが、非常にあそこがいわゆる道路のものすごい交差点になるわけで、とにかくしょっちゅう死亡事故が起きると、
そういうような場所でありますので、これは県道とか国道の問題ではありますけれども、そこにつながる市道の問題であ
るとか、やっぱりいろいろと状況を考えて、そういう安全対策の点についても県、国等とも相談して、
十分に検討して進めていただくよう要望して終わりたいと思います。
市長にもし答弁いただければ、今後の方向については、生の声を聞かせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
この広域問題とか都市計画の線引き問題は大変な問題ですが、市長には、やはりこれは長年県会議員も務められたわけで
すから、茨城県のそういった大きな立場から、この常総地域、常総市、そういうものを俯瞰して、どういうふうにこの地
域の今後の状況について考えているか。つまり、広域行政というのは、県と市町村の中間に位置すると言っては何ですけ
れども、市町村の規模が小さいということで、広域行政というのをやられているんじゃないかと思います。
今まで50年ぐらいの間隔で広域合併というのがありましたけれども、これから、今後はどういうふうな展望、展
開になるのか。このまま常総市が50年いくということはちょっと考えられないと、こういうふうに思いますし、また、
この地域にはTX等の問題もあって、茨城県の入り口と、こういう地域でありますから、そういった地域の今後の方
向について、市長の今までの経歴から考えてこられたであろう地域観みたいなものを披瀝していただければあ
りがたいなと、考えるところでございます。
○市長(杉田光良君) 秋田議員の御質問にお答えしたいと思います。
私は、今申し上げましたように、この規模では、これは将来また財政難をクリアするわけにはいきませんので、先般の
選挙でも大きな公約に冒頭掲げましたのは、30万都市づくりを目指して広域合併をするということでございました。3
0万都市づくりというのは、いわゆる常総広域事務組合、今は合併しましたけれども、旧取手、藤代、伊奈、谷和原、守
谷、水海道、こういうことを想定して30万都市構想を打ち出して、つくばに次ぐ中核都市を県西南につくることが必要
だというふうに考えてまいりましたけども、正直申し上げまして、選挙に入って石下へまいりますと、広域合併などとい
う問題は全然関係なく、常総市の基盤を先につくらないと、これは常総市自体が大変だというようなことで、若干トーン
ダウンした面はございますけれども、私自身は、当初に申し上げました30万都市づくりということは、今もきちっと持
っておりますので、今後は、そういう方向に位置づけをしたいという考え方で進めていきたいというふうに思っておりま
す。
そこで、若干問題になってくるのは、今、秋田議員さんもご指摘したように、広域事務組合が、これがまた二つにまた
がっているというような問題で、特に、今御案内のように、消防の問題が提起をされておりますので、これらについても、
今、再三消防の関係者とも話し合いながら、それぞれの地域が安全、安心でいられるような体制にまずはしていくことが
大事なのかなという思いで進めておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
常総市の将来展望についてでございますが、秋田議員ご指摘のように、石下と水海道が合併して常総市だけでこれから
先、一つの自治体としてきちっとやっていけるのかということに対しては、私自身も大変これは疑問に思っております。特
に、今、平成の大合併が行われました。この地域もかつて合併というのは、これは各市町村に任せておいたんではなかな
か進まないよと、県がかかわるべきだということを提言して、平成12年だったと思いますが、皆さんも御案内のように、
県内の合併のパターン、第1パターンと第2パターンというものが示されました。その第1パターンというのは常総広域
圏、第2パターンが、石下、千代川、下妻、八千代あたりをエリアとした案が示されて今日に至ったわけですが、結果的
には、若干変則的になりましたけれども、水海道と石下が合併して常総市になった。
ありがとうございました。いずれにしても、常総市ということでスタートして1年半で すけれども、やはり常陸の国と下総の国が合併しようと思ったら、石下は常陸の国の下妻とだめになって、こっちは伊奈、 谷和原の常陸の国とだめになって、どっちも下総の国が合併して常総市ということでございます。郡単位にまた がる合併というのは全国的にも大変だというようなことで、やはりなかなか歴史を踏まえてこういった問題があるのかな と考えておりますが、これはいずれにしてもこれからの課題ということで、十分いろいろ議論していきたいと思います。 市長には本当にかじ取りにですね、いろいろ頑張っていただくようお願いして一般質問を終わりたいと思います。