通告書の内容に従って、2つの質問を行いたいと思います。
常総市というのも1つのテリトリーでありますから、国土のうちの一定の区域を線引きした土地の上にあるもので、まち
づくりにとって土地をどのように考えるかが大きな柱となることは当然のことであります。合併協議の中で常総市全体を
地域拠点ゾーンや産業ゾーン・大規模土地利用型農業ゾーン等、土地利用構想の計画が提示されています。今後、常総市
となって初めて実施される選挙によって選ばれる首長や議員、加えて総合計画審議会や都市計画審議会の中でこうした計
画の具体化が議論されていくだろうと思うわけですが、今回私は、こうした土地政策の基本、あるいはその前提となるの
ではと考える「地籍調査」の現状と評価・今後の見通しについて質問をしたいと思います。
平成18年という明治維新より130年以上も経過した今日でも、「土地の戸籍」である地籍がいまだに明治時代の地租改正
時に作られた地図を元にしているものがあるということで、国としても補助金を出しながらこの地籍調査を推進してきた
ところかと思います。地籍調査をすることによって、土地の取引におけるトラブルを未然に防止することや、税の公平な
負担、公共事業の円滑な推進など、さまざまな効能があると言われています。私はこの地籍調査をすることの効能に、さ
らに加えて、今日の農業問題に対する取り組みの条件作りがあるのではないかと考えるものであります。
平成19年度から取り組まれる品目横断対策によって、戦後のいわゆる「自作農」というものを維持するのが今後ますま
す困難な状況となり、今日いかに耕地の流動化を促し、その集積を図るかということが大きな課題になっています。しか
しながら、農地というものが農業を営むための土地というばかりではなく、いわゆる資産保有という価値観から、特に
「延び」のある農地等についてはその境界に非常にこだわるものがありますから、農地の貸し借りを推進しても、耕作条
件としての大きな区画を実現できないという問題があるのではないかと思います。
地籍調査をして個人個人の1筆ごとの土地の面積とその所有権を確定することによって、農地としての利用権である耕作
権を集積し、耕作条件として大きな区画を実現しなければ、認定農業者等の担い手によって地域農業を担っていくことは
困難な状況となり、耕作放棄地等が拡大するのではないかと懸念しているところであります。
旧水海道地域では、都市計画法の市街化区域、市街化調整区域がありますが、加えて市街化調整区域における区域指定と
いうことで、既存宅地制度が廃止された代替措置として創設された制度もあり、調整区域における宅地化などの利便性を
図っております。しかし、少子化のよる人口減少社会に突入した今日では、さほどの動きは見られず、逆に市街化区域に
おける都市計画税に批判が高まっている現状ではないかと思います。市街化調整区域における区域指定に指定された農地
も当分の間、農地として利用される他はないと考えるものであります。
市街化区域、市街化調整区域における地籍調査、また農用地指定区域の農地や、農用地指定区域外の農地等に対する地籍
調査には、共通する問題と同時にそれぞれの持っている特殊な事情があろうかと思います。こうした区域ごとの事情を斟
酌しながら、今後のまちづくり、その土地政策の前提となる地籍調査を推進することは大変重要なテーマであると考える
ものであります。
この地籍調査の実績という点では、水海道地域と石下地域で大きな差があると聞いております。石下地域ではほぼ終わっ
ているが、水海道地域では現在のペースでいくと今後かなりの年月を要するということであります。こうした地域の格差
は一朝一日には埋まりませんが、こうした地域が合併し同じ市となったからには、一体感のある街づくりのため、効果的、
効率的な推進の方法をおおいに議論する必要があるのではないかと考えるものであります。
こうした観点から、
次に「納税におけるコンビニの利用についてどう考えているか」についてお尋ねいたします。
またコンビニでは単に食料品・日用品の販売ばかりではなく、最近ではATMを設置して金融店舗としての役割を担い、
物流集配の機能を拡大するなど、その営業品目も徐々に拡大しつつあります。
現在の市の指定している銀行を初めとする金融機関は当然のことながら、その営業時間に範囲があり、休日や夜間の利用
は出来ません。市民の中には金融機関の営業時間内に納付のための時間を確保することが困難な事情があり、休日や夜間
を利用できればと考えている人も少なくないと思います。コンビニを利用して、市民税や固定資産税等の市の税金が納付
できれば、納税者の利便性が拡大し、税の収納にも貢献できるのではないかと考えるものであります。
市税のコンビニ納付は、全国的には相当数の市町村で既に取り組まれているようであります。ちなみに茨城県下では取手
市が本年4月から、市・県民税などの6税を市内のコンビニエンスストア22店舗で納税できる「コンビニ納付」を開始
し、年中無休・24時間営業のコンビニを活用して「いつでも」「どこからでも」気楽に納付してもらおうと、県内では
初めてこの「コンビニ納付」に取り組んでいるようであります。
当市でも税の収納については、その収納率の向上に向けて、収納課をはじめとして大変な努力を重ねていることに対し、
あらためて敬意を表するものであります。今後の展開として、市税の納税におけるコンビニの利用についてどのように考
えているか、お尋ねしたいと思います。
常総市も合併して1年を経過しているところですが、旧水海道市、旧石下町のおのおのの地域で取り組んでこられた活動
にはそれぞれの特徴があり、合併はしたものの、まさに一体感のある新市常総市を建設することは今後の大きな課題であ
ろうと思います。そして、その中でも特に大きな問題は、おのおのの地域がそれぞれに参加している広域行政の問題。加
えて、都市計画法や農用地区域指定などにおけるいわゆる区域の線引き問題であろうと思います。
@ 旧水海道市と旧石下町の取り組んできた地籍調査には大きな実績の差があると思うが、現状をどう評価しているか。
A 今後の地籍調査の方向性(優先順位)とその見通しは。
についてお尋ねしたいと思います。
税金のコンビニ納付は自動車税からその取り組みが広げられ、納税者の利便性が拡大しているものと思います。コンビニ
エンスストアは年中無休24時間営業など、いつでも利用できるということで顧客の取り込みを図り、その利便性によっ
て急速に店舗数を拡大、当市常総市の中にも相当数のコンビニエンスストアがあって市民の利用に応えているところかと
思います。
○都市建設部長(鈴木忠男君) それでは、秋田議員の御質問にお答えいたします。
この地籍調査、管理につきましては、平成15年9月議会において戸塚議員より一般質問がありましたことを申し添えます。
地籍調査につきましては、昭和26年に国土調査法が制定され、国土の実態を科学的かつ総合的に調査し、地籍の明確化を図
ることとされたところであります。その国土調査法に基づいて実施する土地の調査であり、国・県の補助金により一筆ごと
の土地について、その所有者、地番及び地目の調査並びに協会及び地籍に関する測量を行い、その結果を地籍図、地籍簿と
して作成するものであり、公共事業等を実施する際、測量に係る費用、または用地買収にかかる時間等の節約、また税、こ
れは固定資産税についてですが、これについても課税等が適正になる等の多くのメリットがある事業でございます。
秋田議員の質問の中にもありましたとおり、当市におきましては、旧石下町では、20.47平方キロを昭和57年度から平
成12年度までの18年間で終了しており、旧水海道市におきましては平成18年度より業務を開始し、旧水海道市全体面積
の79.68平方キロでございます、この面積から鬼怒川・小貝川等の河川、土地改良事業地ならびに区画整理事業地等の調
査除外地34.91平方キロを除いた44.77平方キロが調査計画の面積となっております。
旧水海道市の平成18年度までの進捗状況と致しましては、平成8年度に菅原地区より開始をし、現在菅原地区隣接の大花羽
地区を実施中であります。現在まで約6.77平方キロが終了し、15.1%の進捗となっております。旧石下町を含めます
と、常総市全体で42.3%の進捗状況となっております。
旧水海道市と旧石下町の実績との差につきましては、開始時期に14年の差がございまして、調査面積の相違等を考慮し、旧
水海道市においては一調査区の面積の拡大化を目指し、地籍調査の中で最も重要である一筆地調査について、平成15年度か
ら一部業者に調査を委託し、調査面積の拡大を図ってまいりましたが、平成18年度現在、15.1%の進捗率にとどまって
いるのが実情であります。今後につきましては、一筆地調査の外注化の継続、また担当課の充実を図り、女行の早期完了を目
指したいと考えております。また今後の事業予定でございますが、19年度につきましては大花羽地区の調査を終了し、その
後につきましては隣接の豊岡地区になるか、また都市再生地区基本調査により基準点が設置されているD I D区域、人口集中
地区ですけれども、これになるのか、いずれに致しましても本事業の推進をするために効率の良い方向で、さらには県・国と
の協議によって調査地区の決定をし、事業の促進に努めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。以上です。
まず、大きな1番、土地政策推進の前提となる地籍調査について、@旧水海道市と旧石下町の取り組んできた地籍調査には大
きな実績の差があると思うが、現状をどう評価しているか。A今後の地籍調査の方向性(優先順位)とその見通しについて、
以上2点については関連がございますので、一括してお答えいたします。
○市民生活部長(堀込 昇君) 秋田議員のコンビニ納付についての考え方ということについてお答えいたします。
先ほどの議員の話にもありましたけれども、滞納者にその滞納の理由
を尋ねますと一定の割合で時間内に納付が困難であると、そのことによってたまたま滞納につながってしまうという答えが返
ってきております。このようなことから、このコンビニ収納は日本全国いつでも、どこでも24時間納付ができるというメリ
ットとともに、税金につきましては各期別に収めていただくという納期限がありますので、この納期限内の納付という点につ
いてもコンビニ収納を実施していけば、必ずや収納率が向上するのではないかというふうに考えております。納税者の利便性
を考えた場合、あるいは納期内納付の向上という点で考えた場合、そのための経費というものを考えた上でも、コンビニ収納
は有効な手段であるというふうに考えておりますし、現在担当課におきまして早期に実施する方向で調査、検討を進めており
ます。直、先ほど副支部長の答弁のなかにも出てまいりましたけれども、未納対策プロジェクトチーム、ここにおきましてもこのコ
ンビニ収納は検討されております。できるだけ早い時点で実施できるよう進めてまいりたいと思いますので、ご理解のほどお
願いいたします。以上です。
市税等の納付につきましては、昨今、納税者の利便性を考えて、電気料、電話料あるいはN H K料金等の払い込みと同様に、
コンビニエンス・ストアで税金を納める、いわゆるコンビニ収納を実施する自治体が増えております。近隣では取手市が本年
の4月から実施しており、結城市においても平成19年4月より開始をする予定となっております。直、常総市におきまして
も、石下地区におきまして平成13年の11月から水道料金に限りコンビニ収納を実施してまいりました。合併後は、水海道
地区の水道料金も同様に払い込みが可能ということになっております。これにつきましては、常陽銀行が窓口となりまして、
地銀ネットワークサービス株式会社と連携の上で実施されており、またその経費につきましては、月5,000円の利用料と一
件当たり57円の手数料ということになっております。
御答弁ありがとうございました。まず、地籍調査の問題ですが、これは石下地域と水海道市でどうしてこれだけの差が出たかと
いうことを考えますと、やはり石下地域には都市計画法上の市街化調整区域、市街化区域等の線引きがありませんから、結果的
に土地の流動性は高いというようなことで、そこにそういったニーズが生まれたのではないかと思います。
またそのことによって結果的には、宅地の建設等によって人口構成も水海道地域よりも石下が若いといわれています。短絡的に物は言えま
せんけど、そういう違いがあったのかなと、こういうふうに考えるわけであります。
水海道においては、これはとにかく相当の年数かかるものですから、ここで今年度どうだとか、来年度どうだとかいう話にはな
らないと思うんですが、今後の方向性としては、非常に予算もかかることであり短期間に全部やってしまうということはできな
いと思います。ただ、菅原地区から始まって大花羽とか計画はあるようですけれども、もう少し、先ほど言いました旧水
海道地域の中における、いろんな地域の線引きがあるわけですよね。市街化調整区域であるとか、その中の区域指定であるとか、
ありますから、特に私が先ほどの中で申しましたように、調整区域の中の区域指定の部分であるとか、あるいはいわゆる農用地
区域外の農地ですね。そういったところの地籍調査を速やかに進めるというのが非常に今日的な要求としてあるのではないかと、
こう考えております。そういった少しメリハリのある進め方というのは検討できないものかというふうに思います。これ
は長期的な展望を持ってやらなければなりませんが、そういう方向性を検討して、単純に菅原、大花羽というんじゃなくて、こ
ういった区域をまず優先的にやってしまおうと、そういった計画、検討をぜひやっていただけないかというふうに思いますので、
その点について再度御答弁いただきたい。
それから、コンビに納税については、利便性の拡大ということで、確かにいろいろ調べてみますと手数料の問題とか、あるいは
コンビニも非常にこの経済環境の中では競争関係にありますから、やはりそういった中での展開も非常にいろんな意味でご苦労
もあるのかなと思います。いずれにしても住民のニーズとして多様な、休日とか夜間の納付ができるということは、いいと思
いますので、この点については実際取手とかやられている実績もあるようなので、十分検討いただいて進めていただきたいとい
うふうに要望したいと思います。以上です。
○都市建設部長(鈴木忠男君) それでは、秋田議員の再質問にお答えいたします。
確かに先ほど議員がおっしゃったとおり、メリハリのあるそういうやり方、これも一つの方法と考えています。ただ、今まで
やってきた中で、流れといっては失礼ですけれども、計画的にやってきたわけですけれども、今後はまた県と市、よく協議しま
して、そういったことを踏まえながら進めていきたいと考えていますので、ひとつよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。やはり、今までやってきた計画を急に変えるというわけにはいきませんでしょう。そういう問題もあ るとは思いますが、常総市として新しくなったわけですから、そこで新たな方針づくりということで、今後の方向性を新たにまた 検討するのもいい機会ではないかと、このように考えますので、ひとつよろしくお願いしまして終わりたいと思います。