2006年のワールドカップが日本で行われた際、カメルーンのチームが滞在した九州、中津江村の村長さん、その人の名は坂本休(やすむ)さんである。期しくも4年後の南アフリカで開催されるワールドカップ、日本の第1試合がこのカメルーンとの組み合わせとなった。中津江村では今でもカメルーンとの友好親善の思い出があり、今、どちらも応援したくて困っているという。
山間部にあるこの村にわざわざ滞在してくれたカメルーンのチームを歓待し、友好を深める先頭にたったのがこの村長さんであったと思うが、私には「休」やすむという名前が強く印象に残っている。自らの名前は自分で付けたものでは無く親がつけたものであるから、本人は「休」という名前をどのように評価しているかわからない。ただ、わが子に「休」という名前をつけたこの親には、むろん会ったことはないが、なにか、山中において森林浴を浴びているような安らぎをおぼえるのだ。
今日、地球に過去に堆積した化石燃料(ガソリン等)によって走る自動車の歴史が大きく塗り替えられようとしている。過渡的な段階として、現在ハイブリッドカーがもてはやされているが、近い将来、バッテリーのみで走る電気自動車が実用化の時を迎えつつある。この自動車の決め手は言うまでも無くバッテリーである。高機能バッテリーによって蓄電の能力を高め、どれだけ走行距離を伸ばせるかというのが最大のテーマである。
ゆったりとした時間の流れの中で体と心を休め、気力・体力を充実させることは、集中力を発揮して物事に取り組むために必要不可欠のことである。人生においてさまざまな壁を乗り越える英気を養うため、休むことが重要な時もあるのではないだろうか。充電が必要なのは電気自動車ばかりでは無い。