バブル崩壊後のトレンドと言えば「リサイクル」であろう。昔懐かしい高度成長期やバブルの絶頂期には使い捨ての
時代といわれ、使い捨てることが正しことであり、消費こそが需要を生み出し、経済の歯車をまわすものだと言われた
ものだ。時が過ぎ、時代がめぐり、また物を大切にしようという時代がやって来た。こうした時代のトレンドをいち早く
キャッチし、ビジネスの世界に取り入れたのが「古本市場」ではないだろうか。BookOffやWonderGoo
など本のリサイクルは活況で、いまや全国展開の巨大産業に成長している。
古本屋というのはもちろん昔からあった。本の価値というのはいうまでの無くそこに書かれている内容である。読んで
感動したという経験のある本は決して手放したくないのが読者の心情であり、将来、2度3度と読み返してみたいという
気持ちが、よい本ほど手放せないでいる理由なのだ。だから、古本屋にある本というのはあまりよい本は無く、詰まら
ないどうでも良いような本しかないというのが昔の古本屋に対する印象であった。しかし、ブックオフなどいまどきの
リサイクルショップをのぞいてみると、最近のベストセラーさえ並び、過去に自分が生涯の友として座右におこうと
思った本でさえ、100円で書棚に並んでいたりする。
本のリサイクルショップの値段だが、新しい本については1割で買い、半額で売るというのが基本であるとのこと。
これで全部さばければ書籍価格の4割も儲かるわけだから、暴利もいいところで、よっぽど新刊本を扱う普通の本屋より
よいわけだ。もちろんそんなに上手くいく筈はないしリスクもある。買い取ったが売れのこり、値下げして100円コー
ナーに廻る本も多いだろう。先日、本箱に入りきらず倉庫に眠っていた本を処分した。50冊以上であれば引き取りに
伺うというサービスを依頼して本を買ってもらったのだが、580冊で14、000円での販売である。へえー、
1割で引き取るのは本当に新しい本のみで、普通のは1冊20円なのかぁ。なるほど、これなら100円で売ったって
儲かるわなぁ。