1990年 4月
食物連鎖

  『食物連鎖』という言葉がある。弱肉強食の世界ではないが、まず太陽と水に育まれた植物プランクトン が動物プランクトンの食糧となり、これを虫や魚が食べ、虫や魚を鳥や哺乳動物等が食べる。この様に生 物の世界で食物がピラミッド型にのぼってゆく図式のことを食物連鎖と言うわけだが、この項点に人間が いることは言うまでもない。ただ、人間の場合には何でも食べる雑食で、食物連鎖からの残留毒物等の被 害が最小限に止どめられているという。

  今日ファースト・フーズという外食産業が大当り。ハンバーガーやフライドチキン等の外資系店舗が地方 にまで進出。また、スーパーで売られているものも、調理ずみのほかほか弁当を始め、温めればすぐに食 べられるインスタントものが徐々に主流を占めつつある。魚の販売を事業としているある会杜が、種なし スイカならず骨抜きサンマを発売したところ、思いのほかの売れ行き好調で当事者もビックリとか。

  日本の経済成長は世界に有名だが、この背景には主婦達の職場進出も大きな役割があったと考えられる。 そして今日の日本は、世界の2%の人口で15%の食糧を消費するまでに至った。金を稼いで所得は増し たが、勢い家庭での食生活はファーストフードの花盛りである。「おふくろの味」などという言葉はその うち死語となるであろう。そして・・・


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