リクルートは就職情報等、人を巡る情報の取り扱いによって急成長した会社だ。このリクルートワイロ
事件の背景には、企業による人の確保の競争があり、『就職協定』が有名無実になってしまうという危
機感があった。いわゆる企業による青田刈りである。日本の経済成長は神話として語られるほどの実績
を作り、こうしたべースの上に今日の我々の生活があることは言うまでもない。
様々な社会問題を抱えたベトナムからの難民は、過去にもときおり見られたが、最近では中国からの出
稼ぎ難民が大きな問題となっている。また、フィリピン、パキスタン等から、観光ビザによって来日し、
職場(彼らからみた高収入)を求めている外国人も増えている今日の日本だ。
昭和が終わって平成となり、二十一世紀まであと十年となった今日。就職を目前に控えた学生達は、
いわゆる建設業とか製造業とかのブルーカラーと呼ばれた職業を敬遠し、昨今のマネーブームにあおら
れたか、金融・証券といった業界がモテモテという。「メーカー」という言葉さえ今の若者達には嫌わ
れると、ある大手家電メーカー人事部長の嘆き。
「生産があって消費がある」自明の理だ。一次ばかりでなく二次産業まで、その生産を外国や「外国
人労働者」に依存していこうという日本に、どういう新世紀が待っていることだろう。