1988年 9月
成人病と肥満

  「使うときには要らないで、使わないとき要る物なんだ?」子供のころ遊んだなぞなぞで、答えは風呂 の蓋である。自分が風呂に入っている時には用済みで、脇にどかして置くものだからなかなか気付かず、 答を聞くとなるほどと思う。『健康』というのも自分が健康であればあまり意識する事がなく、どこか 調子が狂って、痛いとか苦しいとかの自覚症状が現れて来ると途端に気になりだし『家庭の医学』等を 読みあさったりするもので、どうやら健康でなくなったとき初めて意識するもののようだ。

  若い頃には当り前のような健康も、年を重ねるにつれて成人病という訳の分らない病にとりつかれる人 が多い。糖尿病とか高血圧症などがその代表的なものだが、これらの症状を改善するためには食餌療法 がどうしても必要となる。やれ塩分ひかえろとか総カロリーの制限等が求められる。人間の基本的欲望 である食欲を押さえるというのは大変なことで、「食べたいものを我慢して自分は何の為に生きている のだろう」などと考えたりするものだ。

  成人病にはころばぬ先の杖で、とかく太り過ぎに注意が必要のようだ。現代のアメリカでは、太り過ぎ の人は管理職になれないという。自分の体重もコントロール出来ないようでは、他人の管理など出来よ う筈がないというのがその理由である。結婚前はスリムだったが、結婚と同時に太り始め3〜4年の内 に10sも太ったら、女房に「お父さんはサギ師だ」って言われても、仕方がないかもしれないなあ。


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