人類の夢と希望を乗せて打ち上げられたスペースシャトル「チャレンジャー号」。多くの観衆が見
守る中、わずか一分十数秒後に大爆発。七人の乗組員の命とともに、フロリダの海に消えた。ただ
ぼう然と我が目を疑うばかりの観衆。自らの夢を打ちくだかれたような、うつろな目。宇宙への旅
立ちには、まだまだ困難な壁があるようだ。
安全を第一に考え、計画・実行されたはずのシャトル計画。大爆発などの事故がおきる確率は一万
分の一とか十万分の一とか計算されていたはずが、シャトル打ち上げ通算二十五回、チャレンジャ
ー号十回にしてこの大事故である。乗組員のご冥福を祈るとともに、徹底的な事故原因の究明をのぞみたい。
宇宙開発などというのは、もちろん特殊な人々の仕事だが、人はだれでも自分の仕事や生活の中で、
計画を立て実行して生きている。そしてどんなに小さな計画でも、物事が計画通りに運ぶということは、
なかなかできにくいもののようだ。失敗や事故を最小限にくい止めるために常に心に刻んでおきたいも
のに「マーフィーの法則」というものがある。この中から代表的な三か条を紹介したい。一、何ごとも、
ちょっと見よりは難しい。二、何ごとも、はじめに予想したより時間がかかる。三、何ごとも、失敗の
可能性のあるものは失敗が起こる。
天災は忘れたころにやってくるというが、人のおこす事故というのは慣れたころに大きなものとなる
ようだ。