百八十四日間の日程をもって、EXPO85科学博の幕はおりた。入場者数も最後の追い込みがきいて、
二千三十三万人と二千万人の大台を突破。テーマ館ではトマトの結実がほぼ一万個と、こちらも当初の
見込み通りでまずはめでたし。
終わってしまえば、やれ見通しが当たったとか追い込みがきいたとか言っているが、始まる前に、二
千万人とか期間中に一万個という数値を決定することは大変難しいことに違いない。半年経った後、閉
会式の前日に目標を達成するなど、まさに“お見事”である。万博にからんでさまざまな目論見が大き
くくずれ去る中で、基本の計画である入場者数を、当初計画通り達成した万博協会には、ご苦労さんの
拍手を送りたい。
関西地方等、遠方からの参加者は期間中に一回がやっとのことであろうが、あまりにも会場が身近で
あった県南、県西の住人、中には三十数回というお爺さんもいるとか。しかし大方の人々、冷たい日が
続き一日四〜五万人の春の頃には、「まあいつでも行けるんだから」と思い、八〜十万人になってくると
「だいぶ混んでいるから、そのうち空いたら行ってみよう」と考え、やっと終わりの頃、なんと三十万
人もの人出の時に出かけたりする。「失敗したなあ、もっと早いうちに出かけておくんだっけ」も後の祭り。
過去を評価することは容易だが、未来を予測することは至難である。古来有名な川柳を一句。
本降りになって出て行く雨宿り