村の鎮守の神様の、今日はめでたいお祭り日。ドンドンヒャララ、ドンヒャララ、ドンドンヒャララ、
ドンヒャララ、朝から聞こえる笛太鼓。テンポの良い、いかにも楽しさが胸一杯に広がるような曲で、
子どもの頃よく歌ったことを思い出す。祭りといえば御輿である。村の若衆が掛声合わせて汗をとば
しながらの御輿はまさに壮観であった。
歌は世に連れるものらしいが、昭和三十年代頃からまさに忙しい時代に突入。また子どもは二人が一
般的というような時代となって、村々の御輿をかつぐ人々も減ってしまった。そして、大きな御輿は
飾り物となってお宮入りし、村祭りの歌も遠い過去の歌となってしまったようだ。
三妻の十家地区で昨年、久しく絶えていた大きな御輿が二十八年ぶりに復活した。そして二年目の今
年もさらに輪を広げ、新しい世代のかつぎ手たちが力一杯御輿をかつぎ、流れる汗にまみれながら地
区内を一周、喝采を浴びた。近所隣に住んでいてさえなかなか顔を会わせることも少ない今日、若い
人々が一体となって御輿をかついだ経験は大きな意味のあるものに違いない。
御輿をかつぐ前には肩合わせを行う。大きい人は前に、小さい人は後に、それぞれの力をうまく引き
出せるようにしてかつぐわけだが、御輿の重みを平均化することは至難で一部の人には重く、一部の
人にはその重さがかからない。そこにはみんなが力を合わせれば、という協同の原点がある。みんな
でかつごうお御輿。地域に広げよう協同の輪ッ!