六月の花嫁は、幸せになるという言い伝えがヨーロツパにあるそうだ。それをかついだわけでもないだろ
うが、去る六月二十四日、聖輝(世紀)の挙式と騒がれて、松田聖子と神田正輝の結婚式が行われた。挙
式から新婚旅行まで動員された報道陣はのべ千七百人、披露宴の参加者は六百人、出された料理の値段は
一人当たり四万円とか。当日は民放各社競ってこの報道に当たり、まさにこの日は聖輝の日であったようだ。
ニューメディア、キャプテンシステム、VAN、CATV等々、カタカナ文字や頭文字による略語がやたらと多
い今日、通信綱のめざましい発達によって、時代はまさに高度情報化時代へ邁進している。宇宙空間に打ち
上げられた通信衛星の働きによって、地球の裏側でおきた出来事でも光のスピードでその情報が伝わり、
ほぼ同時にその様子が認識できる今日である。ここにも狭くなった地球の一つの証明があると言えよう。
情報の量を表わす最小の単位をビットという。これかあれか選択できるものが二つある状態が一ビット
である。電気的にはプラスとマイナスで、磁気的にはN極とS極ですべての情報を表現することができ、か
つその情報量をビットを単位とした数値で表わすことができる。コンピューターにとって情報はその量が
問題だが、人々はその価値観によって質を問わねばなるまい。
ハワイから衛星中継によって正輝が感動したという情報が伝えられた。なんと聖子が彼のパンツを洗っ
たことに感動したという……。