“宴会族”と呼ばれる人たちの活躍する季節となった。用意された忘年会、新年会だけで
はあきたらず、二次会、三次会と流れ流れて午前様。失敗したと思いながらの二日酔、よ
くあることだ。酒が体に合っているというのか、いくらでも飲めるといった“飲んべえ”
もいるが、やはり飲んべえというのは、酒を飲むこと自体よりも、酒飲む雰囲気の好きな
ハシゴ族を言うのであろう。このハシゴ族、雰囲気に引かれて繰り出すのだから、一人で
飲んでもしようがない。いきおい他人をさそい込むことになる。
最近日本人の生活実態調査というものが新聞に掲載されていたが、この中の酒飲みにつ
いての報告では、ほとんどの人が職場の同僚と飲むといったふうに、いつも気心の知れた
仲間うちで飲んでいるようだ。酒飲めば無礼講で、飲んだ機会にストレスを発散し、普段
の交流をより深めようということだろう。
社会が多様化してきているとよく言われているが、日本人の場合、まだまだ仲間間のつ
き合いといった点からなかなか脱皮できないようだ。さまざまなグループを作り、何回も
忘年会を行っているが、同じようなメンバーの場合も少なくない。こうした場合の二次会、
三次会、往々にして不毛の酒飲みになりがちだ。
男のつき合いはなんとやら……。と言って、宴会をはじめる前から二次会のことを心配
したり、胃腸薬を用意しての忘年会等、省みてみる宴会のなんと多いことだろう。