観光地などに出かけると、世界が狭くなったことの一つの証明でもあるかのように、たくさんの外国人
を見かける。日本人が出かける数も大変なものだろうし、そうした往来は、より広い視野に立って考え
る国際人をつくる意味で喜ばしいことだ。しかし、交流を深めるという点では、いろいろ問題が多いようだ。
先日、三坂新田町の茂呂英世さん宅で、海外からの留学生とその家族、約二十人を招きイチゴ狩りが行わ
れた。もうすでに四年も前から、毎年続けられているもので“草の根外交”を語る坂手町の沢畑誠さんの
呼びかけではじまったものである。参加者は主に東南アジアからの留学生でほとんどがすでに結婚しでおり、
中には日本で子供の生まれた家族もある。イチゴ狩りの後はあすなろの里で、参加者がそれぞれ自慢の料理
を作り、和気あいあいと交流を深めた。
島国生まれの日本人、高度経済成長を達成した日本人にはどうも東南アジアに対する偏見があるのではない
だろうか。「筑波大留学生が二百人もいる中で、友達と呼べる日本人のいる人はごく少ない」「日本人は、
アメリカ人とかイギリス人とは友達になりたがる」とは参加したスリランカ人の感想である。
所変われば……と言われるが、国の違い、民族の違いというものは大変なものだ。言葉の問題を初め、たくさんの壁
がある。しかし、同じ体験を重ねることによっていろいろなことが学び合えるものだ。近くて遠い国々をもっ
ともっと理解したいものである。