「夏」というイメージは、流れおちる汗と真っ黒に日焼けした体、それにまぶしくて直視できないギラギラした太陽がいかにも似合う。だが、今年の夏は、なにか正当に夏だったのだろうか。?という疑問すら禁じえないほど夏のイメージにはほど遠い夏であった。
七月下旬、八月上旬という一年で一番暑いはずの二十日間、三十度以上の日はほとんどなく、気象庁も「七十年ぶりの冷夏だ。」等、異常気象がマスコミをにぎわした。
そういえば昨年も台風二十号の後、長雨が続いて、野菜の暴騰を呼んだし、どうやら異常気象というやつもだんだんと本格的になってきているようだ。そしてこれは地球全体でおこっているらしい。異常の現われ方は、たとえばアメリカ南部ではこの間かなり厳しい熱波にみまわれている等、地域・地域でいろんな現われ方をしている。
異常の記録が何年ぶり、何十年ぶり等とよく言われるが、地球の歴史の中で、こうした異常気象(あるいは「地震」等も含め)が一定のサイクルで起こるとし、その期間は約六十年であるとする六十年周期説というものがあるらしい。そしてどうやら八十年代はその年まわりのようだ。
異常が起こればすぐ問題になるのは食糧である。穀物自給率三十七%という日本。そして国の財政赤字を理由にした米の減反。異常気象がとかくとりざたされる今日、天災が人災とならぬよう、物心両面の備えに心がけたいものだと思う。