繊維・衣料という業界は、およそ資本主義の成長初期における労働集約的な環境に支えられて発展する産業だと考えていた。 我が国における繊維産業も、先般世界遺産に登録された「富岡製糸工場」に代表される前近代的な産業で、今日では、衣料のほとんどがメイドインチャイナ となってしまったように、賃金の低い資本主義の発展途上国へ(最近では賃金もだいぶ上がり、中国から東南アジアへのシフト傾向がみられる) 移動していく産業であり、高度な技術もあまり必要としない古い産業というような偏見があった。
「ユニクロ」という企業がこの繊維・衣料という業界で革命的な躍進を続け、日本どころか世界を席巻する勢いだ。ユニクロの衣料は安いが 若者向けなので、それなりに年齢を重ね「還暦」を過ぎるようになると、どうせ自分に合うような商品は無いだろうと思っていた。ところが 「ヒートテック」という薄くても暖かい素材で作られた「タイツ」等の商品に誘われてユニクロをのぞき、試し買いした「下着」にはまる。 冬には必需品となった暖かい下着「ヒートテック」は本当に暖かく着心地の良いものであった。 そして、最近魅せられたのが「ライトダウンジャケット」である。まさにこれまでのものとは素材が違うのである。繊維の革命というのも あながち誇張ではないほど、軽くて薄くて安くて暖かいのである。以後はユニクロ尽くしの生活となった。
ただ、軽くて薄いのは良いのだが、どうしても体型的には細くて長いのである。やはり若い人の体形が標準的にそうなっていることの対応 なのだろうと思うが、もう少し太くて短いスタイルのコーナーができないものかと思う。このようないわばシルバー向け商品で、さらなる 事業展開があるのではないかと考えるのは、単に私が胴太で短い手足だらかなのだろうか。