音に対する人の感覚というものは民族によって大分異なるもののようだ。日本人の感覚というのはまことに敏感で、虫の鳴き声に郷愁を感じたり、侘びや寂びの世界というものもある。しかし、外国人の多くは虫の鳴き声など単なる雑音でしかないという。
言葉はそれぞれの民族が持っている言語によって現わされるが、言葉で音を表現するのを擬声語という。同じ音を聞いても言語によって音の表現がかなり異なる。たとえば犬の泣き声を日本語では「ワンワン」と表現するが、英語では「バウワウ」といい、水道から水がたれる音、英語では「ドリップドロップ」、日本語では「ポタポタ」である。人は音を耳で聞いているのではなく、いかに脳が聴いているかということだし、脳の働きというのは民族によってかなり差があるということのようだ。
音楽というのは音の組み立てによる芸術だが、リズムとメロディーがその根幹を成すものであろう。たしかに虫の鳴き声にはリズムもメロディーも無いかも知れない。しかし、ワールドカップでがなられたブブゼラ、リズムもメロディーも関係ないこの楽器(?)、かの国の人々にはどのように聴こえているのだろうか。
「ブンブンブン蜂が飛ぶ♪」という歌があるが、あのブブゼラ「ブブブーブブブブ虻が飛ぶ」という感じなのだ。あーあうるせぃ!!