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「 小宇宙 」  2009年12月


 碁盤の盤上は小宇宙と呼ばれている。碁とは盤上にある目数361目を奪い合うゲームだが、石を打つ所は19x19で361目あり、これは1年間の日数(365日)を表し、9つある点を「星」と呼び、中心点は「天元」と呼ばれている。まさにそこは宇宙であり、小宇宙で遊ぶのが囲碁の世界であるといえよう。

  日本人は小さいもののなかに無限の世界を見出すことが好きな民族のようである。竜安寺の庭に見られるように、日本庭園においてもコンパクトな中に無限の広がりを求め、日本の得意産業である自動車産業においても、軽自動車をはじめコンパクトカーづくりがポリシーで、ガソリンの値上がり等の背景もあって、世界的に評価されてきたといえよう。

  日本人がなぜ小さいものがすきなのかという考察がある。竹村公太郎先生によると、日本の地形は山が多く、昔からその移動には自らの足に頼らざるを得なかった。だから大型の馬車による移動など大草原でのやり方は地形の関係から難しく、人が物を運ぶためには荷物をできるだけコンパクトにまとめる必要があった。つまり物を小さくすることが不可欠であり、小さくするノウハウが育ってきたのだという。

  たしかに日本人は細工をしないと「不細工」と言うし、詰め込まないと「つまらない」という。細工をして小さくすることは日本人の美意識となっているようだ。「つまらない」という言葉の語源がここにある。

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