子供が大人に成長していく過程において、人には2つの目覚めがあるという。1つは性の目覚めであり、もう1つは哲学の目覚めである。 性の目覚めとは、いうまでもなく男は男であり、女は女であるということに目覚めることであり、哲学の目覚めとは、この世はどのようになっているのか。そして自らはこの世においてどのように生きていくべきかということについて考え、その方向性を見出すことである。
性の目覚めについては、放っておいても誰でも目覚めるものだが、もう1つの哲学の目覚めについては、目覚めないまま人生を送ってしまう人も多いと言われている。人はその成長に伴い、男であるあるいは女であるという肉体的特長が現れ、いやおうなく自らの性に目覚めるものだが、世界観・人生観の確立という問題は、いわば生涯学習的テーマであり、「少年老いやすく学なり難し」の世界であるといえるのかも知れない。
世間にニューハーフと呼ばれる人々がいる。彼らは肉体的には男だが精神的には女であるという自覚に悩み、手術によって性転換を図る人もいるようである。まさに人間の多様性に驚くばかりだが、昨今、「草食系男子」と呼ばれている若者が増えているという。一昔前には「体育会系」とかいわれる筋肉もりもりが男の象徴であったように思うが、どうもいまや男のイメージも逆転の感がある。あたり前と思われていた性の目覚めにも「?」マークのつく時代となった。少子化が叫ばれている今日。若者にはぜひとも、草ではなく肉を食べてほしいものだとおもうのだが・・・。