人間が動物と基本的に異なる素質は、言うまでもなく脳の働きによることは明らかだ。思考するという脳の機能、言葉による コミュニケーション、学習することによって脳の記憶細胞が成長拡大し、記憶領域が拡大するというまさに人間のみに与えられた 資質といえよう。大脳生理学の発達によって脳にもいろいろあり、大脳といわれる脳の本体も、右脳と左脳という相対する2つの 脳があり、おのおのそれぞれの機能があるということが分かってきた。右脳は感情・感覚の分野、左脳は論理(計算や言語) の分野を担当していという。
脳卒中によっても明らかなように、右脳をやられて半身不随になった場合には、言葉はしっかりしているが喜怒哀楽の感情が 無くなってくるといい、左脳欠陥の場合には、言葉のロレツが回らないが、感情的には自らが思うようにならない悲しみから 常に涙を流したりしてしまうらしい。
コンピューターの進歩は近年驚くべき勢いだ。CPUと呼ばれる人間で言えば脳の中枢にあたる部分の演算速度は飛躍的に進化し、 メモリーという記憶領域の分野でも、そのキャパシティの拡大には目を見張るものがある。現代のコンピューターは左脳の分野では、 人間を凌駕するというまでになってきた。しかし、人間の右脳の分野では、現代のコンピューターといえどもまだまだ赤ちゃんの レベルであるという。
左脳と右脳は脳幹によって複雑に繋がっており、双方の役割を補完しあってバランスを取っているのが人間の脳の優れた点である。 右脳・左脳ともに正常であってもこの連絡が切れると、人間としての常識的な活動がおかしくなってしまうという。世間を眺めてみる と、どうも左脳のほうの働きが強いなという左脳人間、左脳はあるのかよというような右脳人間に時々出会う。 やっぱり、何事もバランスが大事だよねぇ。