母が80歳で逝った。50代で糖尿病を発症。長年にわたる闘病生活を強いられていたが、2年3か月前の平成22年5月3日、糖尿病からくる 低血糖脳障害で眠りについたまま、朝起きることもなくそのまま入院。意識が1度も回復することなく植物状態となり、ついに7月20日帰らぬ人となった。
糖尿病というのは本当に恐ろしい病気だと悟ったのはこんな経験をしてからである。体のどこかが痛いとかということの自覚症状がほとんど無く、 血管の細く凝縮しているところに合併症が出る。腎臓疾患や目の網膜症、脳梗塞や心筋梗塞などであり、こうした症状が出てしまってはもう取り返しがつかないのだ。 倒れてからの母の2年3か月は、それこそ闘病生活などというものでは全くなく、ただ点滴と胃ろうによって生かされているだけの時間であったと思う。 見舞いに行っても話すことも励ますこともできず、毎週、毎週やせ細っていく母を見て帰るだけのつらい日々であり、本人も全く望まなかったであろう晩年であった。
仕事でお世話になった加藤獣医師によると、糖尿病は遺伝的要素が多分にあり、親が糖尿病の場合子供もそうなることが多いという。母が糖尿病だと言ったら それは間違いなく遺伝するというので、遺伝は父方もあるので確率は50対50ではないのかといったら、長男坊は母方に似るとバッサリ。意識不明やボケで自分が分からなくなっても 生かされているのはまっぴらごめんなので、どうせ死ぬなら最後まで意識のハッキリしている「ガン」がいいかと考えている。